北欧の部屋  



寒さの厳しい北の国は、人を寄せ付けないような厳しさと、荘厳さ、自然の恐さと強さを感じます。
そして、そこに生きる人々の強さと暖かさ。仲間や家族の暖かい絆も、感じます。

雪と氷に閉ざされると、何者をも拒む森。
春になると、やわらかく溶け出し、生き物や人々が、集い始め、動き始める様、

自然を、とても尊敬して畏怖し、大切に思っているのだと、なんとなく思うのです。
だから、自然を征服しようなんて様子はなく、自然と共に生きていくような物語ばかりに思えてなりません。

人間として生きていく上で、考えさせられ、尊敬する物語がたくさんある国なのです。


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  森の三姉妹   森で迷った娘が、オンドリ、メンドリ、牝牛、そして、お爺さんの住む家に来ます。
  やさしくなかった娘は地下室へ・・。やさしい娘に出会ったとき、不思議な事が起こります。
  雪の女王   日本の雪女は、どこか少女の面影を残し、雪の女王はもう少し、達観したような女性を想像します。
  悪魔の鏡が目に入り、氷の心になったカイは雪の女王と同調したのでしょうか。ついていくのです。
  カイを探すゲルダと、盗賊の娘の場面も好きです。二人の対照的な少女の、淡い友情が印象的。
  ゆきむすめ   子どものいない、老夫婦が、雪で人形をつくると、その人形が少女になる話。
  でも、春になれば、どうなるか想像できますね。せつない話です。
  金の角の鹿   こちらも造ったのは老夫婦。土でこさえた人形が、人も動物も飲み込み続けます。そこへ鹿が
  現れて、山の上から叫びます。「口を開けて待っていろ。ここから飛び込んで行ってやろう」
  鹿、カッコいいー♪と思いました。人々に尊敬されてるのですね。
  十二の月の物語   「森は生きている」という題名で知りました。おおみそかの夜は、森の神様が、吹雪を起こし、
  森の扉を閉じるのです。そこへ、まつゆきそうを探しに少女が来たのです。
  森を守る。十二の月、それぞれの神様たち。少年。若者。壮年。老年。それぞれ三人づつ。
  お爺さん神様の、森と人間への言葉が心にしみるのです。
  ニルスの不思議な旅   わんぱく、いたずら、悪さ坊主のニルス。妖精を怒らせて、小さくされてしまいます。今まで
  イジメていた家畜の鶏や猫に追われて、さぁ大変。飛びたいがちょうのモルテンの背中に
  飛び乗って、一緒にラプランドへ旅に出る羽目になります。
  旅を通して、やさしさや、生きるものの素晴らしさ、大地の恵みを学んでいくニルスの冒険。
  でもね。わんぱく悪さ坊主だけど、この子はヒネた性格ではなかったから。
  前向きで、逆境にも負けない強さがあったからだと思います。
  おだんごパン   老夫婦が、おだんごパンを作るところから、とてもリズミカル。言葉の掛け合いですね。
  食べられまいと、唄いながら逃げていく、おだんごパン。最後に食べたのは、知恵者の狐。
  てぶくろ   深い雪の森の中、お爺さんが、てぶくろを片方落としていきます。みつけたのはネズミさん。
  あったかそう。お家にしましょう。入れて〜と来たのが蛙さん。そして次々に・・・。
  最後はクマまでやってきて、そりゃあなた、無茶ですよ。森のファンタジーです。
  三匹のクマ   森で迷子になった少女が、留守の家を見つけて中に入ります。そこは、クマの親子の家。
  大きな食器、中くらいの食器、小さな食器。大きな椅子、ちゅうくらいの・・・以下略。
  大中小で、言葉のリズムが印象的。
  三匹のやぎ   こちらも、大中小の三匹のヤギ。名前はみんな、がらがらどん。おなじみのトロルが出ます。
  橋を渡りたい、三匹のヤギさんと、橋の下に住むトロルの攻防.。
  「通しておくれ。もう少し待てば、ぼくより大きなヤギが来るよ」。
  こうして小さいヤギと中くらいのヤギは、橋を渡ります。そして、最後。大きいヤギVSトロル。
  私は感激しました。自分が負けたとしても、二匹は確実に橋を渡らせようという事か・・と。
  でも、元々の話はね・・。一番大きいヤギも「後からもっと大きいのがくるよ」って、
  まんまと三匹渡ってオシマイなのだそうです。聞いたときはまいってしまいました。
  かえるの王女   かえるの王子という話は知っていましたが、ロシアには、王女バージョンが、あったのですね。
  こちらの蛙は、3年間の期限付きで、蛙の皮を被らされていた王女です。それを知らなかった王子が、
  姫を助けようと、蛙の皮を燃やしてしまうのです。期限前に、かえるの皮を燃やされてしまい、
  お姫様の呪いが解けなくなります。いなくなった姫を探し、呪いを解こうと、王子は頑張るのでした。


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